企業との共同研究

安藤玲未(2012年博士前期課程修了予定)

大学院に進学すると、企業と共同研究を行える機会があります。
より社会に近い所に身を置いて、多くの方々を巻き込みながら研究を進めていくことは、とても良い刺激となり、研究にも力が入ります。
数々の実験を繰り返し、また、企業の方との議論を重ねていく過程で、様々な観点から物事を考えられるようになり、研究内容も、より高度なものとなっていきます。
そして、これらの一連の研究に取り組む姿勢が企業へのアピールとなり、研究者として必要な人材であると判断して頂けるチャンスにも恵まれます。

また、大学院では、きちんと研究を進めていけば、国内外を問わず学会発表を行う多くの機会を得ることができ、専門知識はもちろんのこと、 社会で必要なプレゼン能力やディスカッション能力、そして英語スキルを向上させることができます。
更に他大学の先生や、学生との出会いも魅力の一つです。

学部では、なかなか専門知識に深く関わることができませんが、大学院では、とても良い環境で、専門分野を深く掘り下げて研究を進めることができますので、 是非、大学院へ進学することをおすすめします。

他大学からの受験

斉藤優理(2012年博士前期課程修了予定)

私は他大学からお茶大大学院に進学しました。
大学を卒業して就職するかそれとも大学院に進学するかについて真剣に考え始めた学部3年生の春、お茶大大学院のオープンキャンパスに参加しました。
先生方が研究室の紹介をして下さり、私は情報可視化という分野に興味を持ちました。
また先輩のお話から女子大ならではの雰囲気の良さも感じて、お茶大の大学院を受験することを決め計画的に試験対策を行いました。

合格後の4年生の秋には、研究室で「Welcome Yuri」と描かれたデコレーションケーキや先輩の手作りケーキで歓迎パーティーをしていただき私のお茶大生活はスタートしました。
その後は月に数回、研究室に行き先生や先輩方からもご指導をいただきながら研究を進め、大学院入学前の3月にはお茶大生と一緒に学会にまで参加することができました。

入学後は、研究分野の似ている他大学の研究室との合宿があったり、国際学会(香港・ロンドン)で発表をしたりと、学部を卒業して就職していたら絶対にできなかったいろいろな事を経験しました。
大学院の2年間は短かったけれど、内容の濃いとても充実した時間でした。
素晴らしい先生と素敵な仲間たちのいる有意義な研究室生活だったと思います。

お茶大の情報科学科には、就職難という言葉はないと思います。
就職活動においても、たくさんの先輩に相談することができました。
技術職に就くと、まわりには男性が多くなりますが、会社にはお茶大の先輩方が活躍されているので心強いです。
私は大学院に進学して本当に良かったです。

奨学金の返済全額免除

S. T. (2011年博士前期課程修了)

大学院進学のネックとなることの一つに学費が上げられると思います。
そのような場合、奨学金を受けるということが選択肢の一つです。
私は大学院の2年間、日本学生支援機構の第一種奨学金を受けていました。
初めは"借金"というイメージが拭えず申請をすることを悩みましたが、素晴らしい先生と素敵な仲間と過ごした大学院での2年間は、人生の中においてかけがえのないとても有意義な時間でした。

大学院では学内にとどまらず、国内外の学会への参加、企業との共同研究、留学と様々なチャンスがあります。
私にとって何よりも魅力的だったのは研究を通して一つの物事をとことん突き詰め、自分の専門分野が持てたことでした。
研究で頑張って成果を積み上げてきたことは私の中で大きな自信となっています。

さらに大学院修了後には奨学金を全額免除の認定を受けることができました。
これは第一種奨学金の貸与を受けた学生で、在学中に特に優れた業績をあげたと機構が認定した場合、貸与期間終了時に奨学金の全部または一部が免除される制度です。
大学の4年間はほとんど基礎的な学問を学ぶことだけで終わってしまいます。
さらに2年間大学院で学ぶことで、学問においても、人間的にも、視野と可能性を200%にも300%にも広げることができます。
私も初めは不安でしたがお茶大 情報科学科には学生を全力でサポートしてくださる先生方、先輩方がたくさんいるので心配はいりません。ぜひ大学院へ進学することをお勧めします。

多方面での学び

対馬かなえ(2011年博士後期課程入学)

私の研究の動機は学部の時に感じた、なぜ型エラーのデバッグが簡単に出来ないんだろう?ということが元になっています。
その後研究室に配属され、型に関する理論がとてもシンプルで美しいことを知り、よりその思いが強くなりました。
修士1年生の頃、就職か進学かで悩みましたが、学部の時の自分が思い描いたことをまだ実現できていないという思いから、進学を決めました。

後期課程に進学してよかったと思うのが、積極的に多方面に参加して学び、それを研究に活かせていることです。
去年の夏にはベンチャー企業に二ヶ月間インターンに行ってきました。
その会社はとても勉強熱心な方々が集まっていて、社内で輪講やそれぞれの得意分野を話すセミナーを開催していたりします。
インターン後もそれらに参加して、良い刺激をもらっています。
また国際学会にボランティアとして参加し、普段の一参加者とは違った視点で海外の研究者の方と話せたことも非常に良い経験でした。
秋には少し分野が違うワークショップに参加して、その分野を垣間見ることが出来ました。

後期課程を修了するためには、他のことをやっている時間がないのでは?と思われる方もいるかもしれません。
しかし色々なことから刺激を受けて、また他の分野の方から意見を頂くことで、より自分の研究が奥深く、かつ自分にしか出来ないことになっている実感があります。
研究が好きな人で、色々な経験をしてみたい人は後期課程への進学を考えてみるのも良いかもしれません。

世界で闘えるレベルの研究を

増子萌(2010年博士後期課程入学)

私は英語が不得手です。しかし、情報科学の分野では(他の分野でもそうでしょうが)英語が必須になってきます。
文献や論文を読むこと、論文を書くこと、海外発表で話すこと…。どれも必要です。
とはいえ、もともと研究が面白ければ博士課程まで進学したい!と思っていたので、学部4年のときに英語の論文を書き、修士1年のときに発表してきました。
文法から怪しいような英語ばかりで、執筆時は先生に大変お世話になりました…。
発表自体は練習を重ねたおかげで大きな失敗なく出来ましたが、質問は聞き取れない、答えられない、と口惜しい思いをしました。
一方で、国内発表時よりも内容に関心を持ってくれる方が多く、研究のモチベーションは上がりました。

発表のついでに、より大きな、私たちの研究分野ではトップレベルの学会にも参加してきました。
あの論文の著者が!とか、あのシステムの開発者が!とか、有名な方々も多く参加しており、発表の間のティータイムにも延々と議論を交わす様は印象的でした。
ここでも英語が仇となって議論の輪に加われなかったのが残念でした。

今考えると、質問に答えられなかった口惜しさ、世界で闘えるレベルの研究をしたい!議論を交わしたい!というモチベーションは、私が博士課程進学を決めた理由のひとつになっています。
今では英語も多少は使えるようになりました。

博士後期課程在籍中の海外留学

間野晶子(2011年博士後期課程修了)

私が大学院に進学して良かった、と思うこと、それはたくさんありますが、やはり一番良かったことは、留学できたことだと思います。
なぜなら、留学経験やそこで過ごした時間によって、未来の自分の選択肢が、より広く、より魅力的に、拡がったと思うからです。

私は、博士後期課程在籍中に、通算1年半の期間に渡りフランス留学を経験しました。
今思い返すと、留学中は、当時は大変だと自覚もできなかったくらい、大変なことばかりでした。
慣れない生活に加えて、周囲の人々に比べて英語、フランス語、研究の能力が圧倒的に不足していたからです。
不便だったり、日常的に自尊心が傷つけられたりする日々を過ごす中で、「出来ないことは出来るようになるしか楽になれる道はない」、と四六時中勉強しました。
そんな努力が少しは実を結んだか、最後には納得のいく研究成果を持ち帰ることができ、帰国後は博士号も取得することができました。

フランス留学を通して、研究能力や語学能力において、「このレベルまでこなせなければダメなのだ」、という自分の基準を引き上げることができました。
日本にいたのでは、同じだけの努力をしたり、同じだけの自分の成長があったりすることは絶対に無かったでしょう。
大学院に在籍していなければ、研究留学の機会を得ることも無かったと思うので、留学できたことが一番、大学院に進学して良かった、と思うことです。

博士前期課程在籍中の海外インターン

渡辺千穂(2012年博士前期課程修了予定)

私は,学部生のとき大学院に進学するか就職するかとても迷いました.
しかし,4年生の春に研究室に配属され,自分のアイデアを形にしていく楽しさを知り,また研究成果を学会で発表している先輩達の姿を見て大学院への進学を決めました.

大学院生活を振り返ってみるととても短かったように感じますが,多くの経験をする事が出来ました.
私が印象に残っているのは修士一年生の夏から3ヶ月フィンランドの研究所へ海外インターンに行き,共同研究を行った事です.
プロジェクトについて英語で議論するため,語学力だけでなく自分の考えを相手に分かり易いようにまとめる力も身に着きました.
マイナス20度の白銀世界で,いろいろな国の留学生達と寮で生活できたのもいい思い出です.
普段と異なる研究環境で,様々な国の研究者の人と交流が出来,私の研究にとって大きな刺激となりました.

また自分の研究を国際学会で発表することができたのも私の中でとても貴重な体験でした.
世界各国の研究者の人達に,自分のやってきた研究を見てもらって意見を頂いたりディスカッションする機会はなかなかないと思います.

大学院の2年間はあっという間でしたが,素晴らしい先生と尊敬できる先輩,同期,家族に支えられ有意義で充実した時間を過ごす事が出来ました.