HomebridgeはオープンソースのHomeKit用ブリッジ(変換サーバ?)です。古いバージョンをこちら
でも紹介しましたが、現在のバージョンを動かす方法をメモしておきます。
Homebridgeを動かすことで、HomeKitに対応していない機器のサポートが可能になり、さらにはプログラミングからHomeKitにアクセスすることが容易になります。
Homebridgeのホームページはこちらです。
ここにあるように、Raspberry Pi, 各種Linux, macOS, Windows, Docker (Linuxベースの簡易な仮想マシン環境?)でも動きます。 それぞれのインストール方法も書かれています。インストールは簡単です。
以下では、Raspberry Piでの一番簡単なインストール方法を説明します。
Homebridgeとプラグインなどを動かしてみると全体で400MBくらいのメモリを使用するようです。 Raspberry Piも525MB以上のメモリを搭載したモデルが良いと思います。 代位1世代のRaspberry Piは256MBだったので無理かもしれません。 今なら、Raspberry Pi 4かRaspberry Pi zero wが良いと思います。 以下ではzeroで試します。
まずは、Raspberry pi zero wとmicro SDカードを用意します。 次に、Raspberry Pi OSのページからSDカード用のインストーラプログラムPi Imagerをダウンロードします。 macOS用、Windows用、Linux用などあるので、適したものをダウンロードします。
https://www.raspberrypi.com/software/
このRaspberry Pi Imagerを動かします。
Storageのボタンで、使用するSDカードを選択します。 通常は、Choose OSのボタンで、Raspberry Pi OSをインストールするのですが、ここで、
の順番で選択を進めると、Raspberry Pi OSがインストールされて、同時にHomebridgeもインストールされます。 Homebridgeの動作に必要な最新のNode.jsもインストールされます。
SDカードでシステムを動かすのは無理があるのか、安価なSDカードを使うと割と頻繁に動かなくなります。 ファイルシステムにエラーが出て、起動しなくなります。 サーバーとして2-3ヶ月くらい使ったところで、起動しなくなるSDカードが2-3枚ありました。 大手メーカーの少し高めのカードを使った方が良いとおもいます。
さらには、「産業用」「業務用」などの名前のついたSDカードもあります。 そういう製品を選ぶと少しは安心です。 容量は8GBもあれば十分です。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07YPJZX67/
https://www.amazon.co.jp/dp/B085GB4SQG/
用意ができたらSDをRaspberry Piに取り付けて起動します。 この時、画面に接続していると以下のようなメッセージが出ています。
この状態で、Raspbery PiはWiFi基地局として動いているので、iPhoneなどから接続します。
このSDカードをRaspberry Pi zero wに差し込めば、すぐに起動します。 でもWiFiの設定ができていないので、 通常は、Raspberry Pi zero wにディスプレイやキーボードを挿して、この後の設定を行います。
Raspberry Pi zero wに挿す前に、SDカードの上でWiFiの設定もしておけば、この先の作業がネット経由で可能です。 ディスプレイやキーボードの用意が不要です。 ちなみにこのテクニックは、通常のRaspberry Pi OSでも使えます。
Raspberry Pi Imagerが作成したSDカードをmacOSやWindowsに挿すと、bootという名前のFATのボリュームがマウントされます。 (SDカードを作成した直後はbootはマウントされていませんが、一旦外して、再度挿し込むと認識されます) macOSならば、/Volumes/bootというドライブがマウントされます。この中にsshというサイズゼロのファイルを作っておきます。 また、wpa_supplicant.confというテキストファイルを作成して、WiFiの設定をしておきます。 一連の作業をシェルコマンドで実行すると:
% cd /Volumes/boot % touch ssh % vi wpa_supplicant.conf
そしてwpa_supplicant.confに以下の内容を書き込みます。
country=JP ctrl_interface=DIR=/var/run/wpa_supplicant GROUP=netdev update_config=1 network={ ssid="<SSID>" psk="<パスワード>" }
詳しくはこちらを参照してください。
https://qiita.com/mascii/items/0d1a280ac58ed8f6f999
Raspberry PiのWiFiは高速な5GHzに対応してます。でもアンテナは小さくて性能が良くないので、場合によっては電波が届きやすい2.4GHz WiFiで接続した方が良いかもしれません。
WiFiの設定が終わったら、SDカードを取り出して、Raspberry Pi zero wに装着して、Raspberry Piを起動します。 この設定で、Raspberry pi zero wはDHCPサーバからアドレスをもらって起動します。 どのアドレスをもらったかは、研究室のルータ(これがDHCPを担当してます)に接続して調べてください。 後々に必要ならばRaspberry Pi OSの設定で固定アドレスにします。 Raspberry Pi OSのデフォルトでは、piというユーザが設定されています。初期パスワードはraspberryです。
ssh pi@192.168.108.xxx
として接続します。(アドレスは単なる例なので実際に合わせてください) これで各種設定ができるようになります。
特に何も設定しなくても、Raspberry Piの電源を入れただけの状態で、Homebridgeが起動しているはずです。パソコンのwebブラウザから、
http://192.168.108.xxx:8581/
に接続します。Homebridgeが見えているはずです。 設定直後のアカウントとパスワードはどちらもadminです。
#ref(): File not found: "homebridge_web.jpg" at page "How2Homebridge"
ログインした後で現れるQRコードを使ってiOSやmacOSのホーム.appからこのHomebridgeを登録できます。 またこの後のメニューで、Homebridge関係のプログラムを再起動したり、さらにはRaspberry Piを再起動したりシャットダウンすることもできます。 電源を切る前には、シャットダウンしておきましょう。